のぶ、ついに告白「好きや 嵩の二倍嵩のこと好き!」…でも史実の暢はもっと大胆だった【あんぱん第85回】『あんぱん』第85回より 写真提供:NHK

日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月曜から金曜までチェックし、当日の感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年続けてきた著者による「見なくてもわかる、読んだらもっとドラマが見たくなる」そんな連載です。本日は、第85回(2025年7月25日放送)の「あんぱん」レビューです。(ライター 木俣 冬)

若松家の食卓シーン
昔からいたように馴染む3人とひとり

「うちまたやってしもうたがやです」

 のぶ(今田美桜)は嵩(北村匠海)に電話口で怒鳴り、受話器を壊れそうなほど激しく叩きつける。彼女の短気は昔からのことだ。

 大人になってだいぶ抑制できるようになっていたが、「なんで嵩にだけうちはこうなってしまうがでしょうか」。 思い余って闇市の八木(妻夫木聡)に訊ねるのぶ。

 フッと笑う八木。

 その頃、高知、若松家。のぶに散々怒鳴られた嵩は羽多子(江口のりこ)、蘭子(河合優実)、メイコ(原菜乃華)と食卓を囲んでいる。

 すごいシチュエーションである。ここは若松家。この家の直接的な関係者はひとりもいない。他人の家にさも昔からいたように馴染んでいる3人とひとり。

 嵩は、新聞社の電話を羽多子に貸したお礼に食事をごちそうになっている。

「完全に嫌われました」

 うなだれた嵩が「死ぬほど心配して損した」と言われたと話すと、羽多子たちはのぶの気持ちを慮る。

 羽多子「それは」
 メイコ「それってねえ」
 蘭子(うなずく)

 のぶの嵩への気持ちを身内はみんな気づいている。

 なのに嵩はまだぐずぐず。千尋を理由に尻込みしている。