
2025年3月31日スタートの連続テレビ小説『あんぱん』は折り返し地点に突入。主人公・のぶ(今田美桜)と幼馴染・嵩(北村匠海)の関係が揺れ動く中、渋谷のNHK放送センターで台本をチェックしたところ、16週までと17週以降で表紙デザインが変化していることを発見! 物語とリンクするその“変わり目”を、のぶと嵩のこれまでと併せて、写真付きでレポートします。(ライター 木俣 冬)
19年もの年月を経て
ようやく……!
ついに報われた赤いハンドバッグと嵩(北村匠海)の、のぶ(今田美桜)への想い。
サブタイトルの「あなたの二倍あなたを好き」どおり、のぶは二倍、嵩を好きと抱きついた。
いやー長かった。1927年から1946年。出会いからじつに19年もの年月がたっていた。
この第17週から台本の表紙が変わっている。戸田恵子さんのインタビューをするにあたって、NHKに台本を読ませてもらいに行ったとき、気付いた。
第1週からの幼少時はのぶひとりのシルエットで、最近は第16週まで夕日の道を歩いているふたりの人物のシルエット。第17週からは中央女性が男性に抱きついてハートマークが飛んでいる。背景の色もちょっとピンクになっていた。
それだけ制作側もこの週に賭けていたのだろう。制作スタッフの遊び心のようだ。
台本の表紙が変わるのは『なつぞら』(19年度前期)以来ではないかと記憶する。『なつぞら』の台本は全26週、違うイラストが描かれた、とてもぜいたくなものだった。タイトルバックを作ったアニメーター・刈谷仁美によるもので、毎回、ヒロインのなつが違う動物たちと戯れている絵だった。