「ナイス登美子!」神出鬼没な“艶やか女優”、今日も出てきた瞬間すべて持っていった【あんぱん第86回】『あんぱん』第86回より 写真提供:NHK

日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月曜から金曜までチェックし、当日の感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年続けてきた著者による「見なくてもわかる、読んだらもっとドラマが見たくなる」そんな連載です。本日は、第86回(2025年7月28日放送)の「あんぱん」レビューです。(ライター 木俣 冬)

世良(木村勝利)がくれた30秒で
久しぶりの再会

「好きや 嵩の2倍嵩のこと好き!」

 嵩(北村匠海)の思いがのぶ(今田美桜)に通じた日から3カ月が経過した。

 第18週「ふたりしてあるく今がいちばんしあわせ」(演出:尾崎達哉)

 薪鉄子(戸田恵子)の選挙運動のため高知についてきたのぶ。

 街頭演説しているとき、世良(木村勝利)に30秒だけ時間をくれると言われて、のぶは久しぶりに嵩に会えた。嵩は薪の取材に来ていた。

 でも「次いつ東京来るが」と二言三言、交わしただけで、離れてしまう。

 数日後であろうか、薪がぎりぎり当選した朝、嵩は思いきって東京に行きたいと東海林(津田健次郎)に申し出ようとするが、先読みされて「ダメや」と牽制されてしまう。

 さらに2カ月が経過。

 のぶは赤いバッグをぶらぶら提げて、八木(妻夫木聡)のいる場所へ。

「日に日にため息が大きくなっていくな」とからかわれるのぶ。彼女が嵩に会えず物思いに耽る(恋患い?)なんて意外である。恋をすると人はがらりと変わってしまうものなのだろうか。