
メールが遅い人は仕事ができないと昨今よく言われます。現代はスピード重視で、メールのやり取りのスピードについても厳しくジャッジされるのです。しかし、問題なのは、メールの早さだけではありません。何を伝えたいのかわかりにくい文面を書くと「仕事ができないのではないか」と判断される傾向があります。なぜ、伝わりづらいビジネスメールを書いてしまうのか、そしてどうやったらわかりやすいメールをすぐに書けるようになるのでしょうか。(プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役 秋山 進、構成/ライター 奥田由意)
メールが遅い人は仕事ができない
ビジネスの現場では、長らく「メール返信が遅い人は仕事ができない」と言われてきた。
これは単なる印象論ではない。返信が遅いことで、会議の日程調整ができない、意思決定が進まない、クライアントとの信頼関係にヒビが入る――こうした実害が日常的に起きている。
そしてもっと根本的な問題は、「返信が遅い=判断ができない」「他人の時間を奪うことに無自覚」とみなされてしまう点にある。どれほど優秀でも、連絡が遅ければ「信頼できない人」のレッテルを貼られてしまうのが、現代のスピード重視のビジネス社会なのだ。
ところが、こうした非難が常に公平かといえば、そうとも言い切れない。
実は、「返信が遅い人=悪い」という単純な構図では済まされない、もっと深い問題がある。
「メールの書き方が悪い」――発信者の日本語問題
実際の現場で多くのメールを見ていると、驚くほど「そもそも何を返信すればいいのかわからないメール」が多い。つまり、発信者側の日本語能力や構成力に問題があるのだ。
例えば、以下のようなメールはどうだろうか。