「味あう」「味わう」どちらが正しい?実は辞書によって異なる言葉の使い方写真はイメージです Photo:PIXTA

自分が使う言葉は本当に読者に伝わるのか。どんな言葉で、どの使い方を選ぶかは、読者層を考えながら決めるべきだ。しかし、辞書を見比べると言葉の意味はさまざまで、自分の思っている使い方が必ずしも絶対ではないことが分かる。特集『最強の文章術』の#7では、30年以上、毎日新聞で校閲記者として活躍し、用語委員会用語幹事などを務めてきた岩佐義樹氏が、辞書によって扱いに鮮明な違いがある言葉をまとめた。(毎日新聞社校閲センター元部長 岩佐義樹)

辞書によって異なる言葉の意味

 伝わる文章を書くには辞書は欠かせない。前回、『「てらいのない」の本当の意味は?今こそ文章術に辞書が必須の理由』では、辞書を引き、言葉の意味をよく知ることが重要だと書いた。

 しかし、言葉の意味は、辞書によって異なる。

 そこで、今回は、2022年1月発行の『三省堂国語辞典』第8版と、21年に第3版が発行された『明鏡国語辞典』(大修館書店)を比較し、鮮明に扱いが異なる言葉を表にまとめた。

 いかに自分の思っている使い方が必ずしも絶対ではないことが分かるだろう。例えば、よく使われる「味あわせる」という表現も、扱いが異なる。