「伝わる表現」ができない!返信する人の日本語問題
一方で、返信側にも問題はある。
「どう返せば角が立たないか」「正しい言い回しが思いつかない」と悩みすぎて手が止まっているケースが非常に多い。
「ちょっと返事を保留したいけど、否定には聞こえないようにしたい」「怒っていると思われないように書きたい」「急かしたいけど、相手の立場もあるし……」
こうして、送信ボタンが押せないまま草案が何時間も(場合によっては何日間も)「下書き」フォルダに残り続ける。これは文章力の問題というよりも、“言語化への過剰な不安”の問題だ。
だからこそ、AIに任せるべき
そこで、生成AIの出番だ。いまや多くのビジネスパーソンがChatGPTなどの生成AI(以下、AI)を使い、メールの下書きや文面の整形をしている。「自分の気持ち・判断・意志」は自分で決めて、「それを相手にどう伝えるか」はAIに任せる。この分業が成立している。
もちろん、社外秘や機密事項の取り扱いには十分な注意が必要だ。情報漏洩が懸念される場合は、文面の骨格だけを入力する、仮名にする、社内限定のAIを使うなどの配慮は絶対に必要である。
こうした注意を守りさえすれば、 何も書けないまま時間が過ぎるという最大の問題は、AIでほぼゼロにできる。
わかりにくいメールも、3分で即レス可能に
では、先ほどの「わかりにくいメール」の事例に戻ろう。このメールをAIに読み込ませれば、次のように“解読”される。
1.現状の整理が必要かどうかについてのご意見
2.打ち合わせを実施することへの賛否
3.打ち合わせを実施する場合の候補日程の提示(もし可能であれば)
→ この3点に答えるだけで、AIは自然な返信メールに整えてくれる。
たとえば、返信者が以下のように回答したとする。
1.現状の整理が必要かどうかについてのご意見 …… YES(整理すべき)
2.打ち合わせを実施することへの賛否 …… YES(実施すべき)
3.打ち合わせを実施する場合の候補日程の提示 …… 先方に候補日程の提示をお願いする
これを「代入」すると、以下のようなメールができあがる。
△△さん
ご連絡ありがとうございます。
ご提案いただいた打ち合わせについて、私も一度整理の時間をとったほうがよいと感じております。 こちらでも先方との接点や論点を再確認しておきますので、打ち合わせ日程候補をご提示いただけますか。
引き続きよろしくお願いいたします
所要時間3分。相手に安心感を与えつつ、自分の立場も明確に伝えている(上記はChatGPT4.0にて作成。AIにしては配慮過剰な文書にも思えるが)。