
日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月曜から金曜までチェックし、当日の感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年続けてきた著者による「見なくてもわかる、読んだらもっとドラマが見たくなる」そんな連載です。本日は、第87回(2025年7月29日放送)の「あんぱん」レビューです。(ライター 木俣 冬)
息子のルックス否定、デリカシーのない登美子(松嶋菜々子)
週タイトルは「ふたりしてあるく今がいちばんしあわせ」なのに、「不幸の匂いがプンプンしますね」と世良(木原勝利)は言う。
不幸の匂いを持ってきたのは登美子(松嶋菜々子)であろうか。
なぜ、登美子は突然、のぶ(今田美桜)の家に来た?
嵩(北村匠海)が彼女に手紙を出していた。それで登美子は嵩の行動の一部始終を知っていたようなのだ。戦争から帰ってきたことも高知新聞社に入社したことも辞めたことも。だからのぶの住居も知っていたというわけ。なっとくー。いやいや、そんなんあるかーい。
気を取り直して先に進もう。
のぶとの関係が進展したことも知っていたらしき登美子はお祝いにお酒を持ってきた。このお酒は八木(妻夫木聡)から買ったことがあとでわかる。
登美子は3度目の結婚をしたが軍人だった夫が亡くなり、その人が残した家に住んでいる。場所は目白。けっこういい家なのではないだろうか。遺産もあって生活に困っていなさそう。きれいな着物を着る人生が送れそうだ。