若者たちにとって重要なのは
「好きの気持ち」と「確信」
間断なく追加され、更新される情報に日々浸かることで、他により良い選択肢が見つかったり、他のことに関心が向いてしまったりすることが珍しくないからです。
もし「寝かせる」ことなくすぐに購入してしまえば、「好き」という気持ちを維持できなくなったときに、失敗や後悔といった感情が生まれるでしょう。こうしたネガティブな感情を避けるために、彼・彼女らは、自分の気持ちに「確信」が得られるまでの少しのあいだ「寝かせる」ようなのです。
数多くの選択肢が流れてくる状況で、間違いを犯さないために確信が生まれるまで購買を控えるという現象は、理にかなった行動だと考えられます。

実はこの「確信」(confidence)という心理状態が購買に影響を及ぼすことは、消費者行動研究の世界において、50年以上も前から指摘されてきました。
今回の調査結果をみると、「次々と入れ代わる膨大な量の情報に、受動的に接触し続ける」ことが普通になった現代の生活環境において、「確信」の影響が以前にも増して顕著になっているのかもしれません。
同時に、現代の若者が用いる「衝動的な買い物」という言葉は、必ずしも「瞬間的な買い物」を意味しているのではないこともわかります。前述した「次々と入れ代わる膨大な量の情報に、受動的に接触し続ける」環境では、「瞬間的な買い物」はリスクが大きすぎるのでしょう。