アンコンシャスバイアスを自覚していくことは…
2本目の動画は「アンコンシャスバイアスとは?」だ。アンコンシャスバイアスの定義、アンコンシャスバイアス発生のメカニズム、マネジメントの落とし穴について、今度は島田教授が解説する。アンコンシャスバイアスは、多くの場合、本人に意図や悪意はなく、その落とし穴は「グレーな領域」にあるという。「グレーな領域」とは、いったい何か? それを表した3つのシチュエーションのうちのひとつは、私にとっては、どこが問題なのかがわかりにくく、知らず知らず、偏見や思い込みを持ってしまっていることに気づいた。
3本目の動画では、中原教授が3つの観点から、アンコンシャスバイアスを自覚するメリットを紹介していく。
その内容は、ビジネスパーソン全般に向けたものではあるが、管理職・リーダー向けに特化したアドバイスも添えられていた。そのなかで、「現代はどこでもICレコーダー社会」という中原教授の言葉が私には印象に残った。自分の発言は常に誰かに録音されているという意識で相手に向き合わないと、社会的な信用を失う事態にもなりかねない――それくらいの危機感を持つことが大切なのだ。また、アンコンシャスバイアスを自覚することは、自分自身にも良い影響があるという。
4本目の動画「アンコンシャスバイアスに気づく」では、アンコンシャスバイアステストの解説と受検を通して、「気づく」ことに焦点を当てている。誰もが自覚しにくいのが、アンコンシャスバイアスで、それを「見える化」するのが、「潜在的連合テスト(Implicit Association Test(IAT))」だ。潜在的連合とは、私たちの頭の中にあるイメージの「結びつき」を指す。ある集団や物事に対して潜在的に持っているイメージが、このテストを通して見えてくるのだ。所要時間は5分〜10分程度。研修受講者は、オンラインで受検することができる。3年前の「アンコンシャスバイアス研修」を受講した際、私もこのテストを受け、まさに無意識下にあったバイアスが露呈されて、ショックを受けたことを覚えている。だが、島田教授は、「人はもともとバイアスだらけ。安心してください」とやさしく語りかけてくれる。アンコンシャスバイアスに目を向けるきっかけとして、テストを受検することはとても有効だと私は思った。