
「上司と合わない」「仕事が憂鬱」「仕事がつまらない」――ビジネスパーソンのあるあるの悩みに、人生の酸いも甘いも経験してきたパワフルなLiLiCoさんならどう向き合うのか。ノンフィクション作家の笹井恵里子さんが聞いた。(タレント・映画コメンテーター LiLiCo、ノンフィクション作家 笹井恵里子)
私の出番になると雨が降る…
「運が悪い」の正体とは?
私は落ち込むことなんてなさそうに見えるかもしれませんが、ずっと前は「超、運が悪い」と思っていました。若い頃、演歌歌手をしていましたが、私が唄う番になると雨が降るんですよ。そしてみんないなくなって、誰も見ていない。こんなに仕事ができるのに、いい人に出会わないし、なんで売れないんだろうと思っていました。
でも今は「運が悪い」というのは、単なる思い込みじゃないかって。また“知恵のなさ”もあります。どうすればそこから脱出できるかという知恵がないから脱出できない。イコール自分は運が悪いと思ってしまう。
今も時々、外に出かけたらドアにぶつかって足をくじいたり、バスに乗り遅れたり、荷物の取っ手がとれてしまったり……などというアクシデントはありますよ。でもそれは運が悪いのではなく、自分がちゃんとしていないだけ。疲れていたんでしょう。だからおそらく「運が悪い人」はいないのではないでしょうか。
ただ、不幸にも事故やご病気などで亡くなってしまった――そういった方は逆に「運」というひとことで片づけるのは失礼だと感じます。個人的にはきっと何か素敵なものに生まれ変わっていると信じたい。
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日本人は「何かイイコトないかな」と言いがち、とLiLiCoさんは指摘する。心当たりのある人は多いのではないだろうか。それに対して「待っていてもイイコトなんかないわよ。自分からチャンスも縁もつかんでいかないと」と、強調する。
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そりゃボーッとしていてイケメンが飛んでくるなら何もしないけど(笑)、やっぱり出かけなきゃ。出会いがないという人も、結局いつも“同じ道”しか歩いていないから。
私の祖母は「毎日駅から家まで違う帰り方をしなさい」とよく言っていたの。そうすると一個ずつ学ぶから「一年で365個、賢くなるよ」って。苦手な道、自分に合わない道も見つかる。そうして感じて生きていると、毎日楽しくて。
もちろん仕事で失敗する時もある。