「上司と合わない」なら
無理して合わせる必要ない

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 もし「上司と合わない」と感じたら――? 「ある程度はすり合わせますよ」とLiLiCoさん。例えば自分が進めたい取り組みの成功例を話し、社内の状況に置き換えて提案する。仕事がスムーズに楽しくなるように調整をする。「でもそれが嫌になったら、辞めます」ときっぱり話す。
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「上司と合わない」ということは、「この会社と合わない」んですよ。それで無理をして会社に合わせる必要がない時代になったと思うんです。

「上司と合わない。会社を辞めてもいい?」→LiLiCoの〈体験〉と〈行動〉を聞いて泣きそうになる…撮影:今井一詞

 昔は40年間ひとつの会社のために働いて、最後にガラスの時計をもらって、みんなから拍手で送り出されて、その翌日から何もやることがない――という人生でした。上司にいろいろ言われて、胃が悪くなって、子どもから「パパ、口が臭い」と言われても働いていた。

 でも今は転職が流行(はや)っていると言ったらおかしいですが、みんながやりたい方向に向かえる時代になりました。

「仕事が憂鬱」なら辞めていい
今も心残りな10年前の出来事

 だから「仕事が憂鬱(ゆううつ)で身も心もボロボロだけれど、家族のために絶対に行かなきゃいけない」と考える人がいたとしたら――。「仕事を変えたほうがいい」と思いますね。ただし、次の就職先が決まってから退職したほうがいい。

 次の仕事を決める前に辞めてしまう人が多いんです。限界までがんばってしまったのか、ぱっと辞めて、もう何もしたくないっていう……。「何もしたくない」というところまでいってしまうと、あっという間にお金がなくなり、やがて「生きる喜び」もなくなってしまうんです。私は何人もそういう人を見てきました。だからそこは少し人生設計を考えたほうがいいですよね。

 私はそういう人が自殺しないために飲みに連れて行き、仕事の提案をしたりします。

 実はもう10年前くらいになりますが、友達が一人、自殺しているんです。すごくショックで、なぜ止められなかったのか、今でも心に引っかかってる。それで最近は会話で人の目を必ず見るようにしているんです。

 目をのぞけば、心がわかる気がする。「元気?」と聞いて、「元気、元気」と答えた人の目をじっと見て、「心も?」と私が聞くと、「LiLiCoさん、怖い」って(笑)。でもその後、電話がくるのよ。「ごめんね、実は……」って精神的に参っていたことを話してくれる。