そして、こうした人たちが革新的な事業を提案し、ときには非常識にも思える個性や創造性、行動力を見せ、周囲の人を惹きつけながら活躍していったように思います。
つまり、高学歴といった偏差値的な頭の良さと、社会で活躍できる力は必ずしも一致しないのです。
私たちは、こうした社会で活躍できる力を「人間力」と呼んでいます。そして、人間力を構成する要素が「非認知能力」。実は、子どもたちが自己決定できる自由な放課後時間は非認知能力を育て、結果として人間力を高めてくれると考えています。
基本的に学校教育や学習塾の授業で行われているのは認知能力を高める教育です。目に見えて点数がつけられる能力、こうした能力も必要ではありますが、それに対して私たちが重要視している非認知能力を高める教育も、子どもたちが大人になり社会に出るときにはとても大切なのです。
放課後時間こそが
「人間力」を育てる
非認知能力を高める教育とは、端的に言うならば正解が1つではないという教育です。
これからの時代はAIも発達していきますし、知識をインプットして、テストの時間に短時間でアウトプットする能力、いわゆる情報処理能力が高い人材は、ある意味それほど重要ではなくなっていくでしょう。
成熟した日本の社会では、学歴や学力だけでは通用しないことは明らかです。コミュニケーション能力と自分の考えを主張して世界と渡り合えるようなグローバル人材や、クリエイティブなアイデアを生み出し新しい価値を創造するイノベーション人材が、求められていきます。
一般的な日本の学校教育の環境では、手を挙げて発言をし、自らの主張を展開したり、活発に議論を戦わせたりするような場面は少なく、目立ったことをするよりも規律を守り、同じことができる協調性が重視されてきました。
その点、私たちは日々の学童での時間はもちろん、イベントやキャンプなどの多様な体験の場を作り、子どもたちが多くの人と出会い、話し合い、議論します。また、読書やワークショップを通して自分の好きなことを発見し、思考力や個性を伸ばし、夢を育んでいくことに力を入れています。