「眠れない」と「食べたくない」が同時に来たら要注意です
誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)など、33万部突破シリーズの原点となった『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになる!

こんな症状が出たら精神科受診を検討してください
今日は、「こんな症状が出たら精神科の受診を検討してください」というサインを2つ、お伝えしたいと思います。
これは、うつ病に限らず、統合失調症など他の精神疾患にも共通する重要なサインです。
精神科医が必ず確認する2つのこと
精神科医なら誰でも、初診でも再診でも高確率で質問することが2つあります。それは「睡眠」と「食欲」です。
特に睡眠については、ほぼ確実に確認されます。というのも、この2つは心身の状態を把握するうえで、とても重要なバロメーターだからです。
なぜ「睡眠」がそんなに大事なのか?
人は、眠らないと生きていけません。睡眠は、脳の疲れをとってリフレッシュし、翌日の活動を可能にするために必要なものです。
普通は、疲れていればいるほど、ぐっすり眠れるはずですよね。でも、疲れているのに眠れない……という状態が続くようであれば、これは注意が必要です。
なぜなら、過度な疲労によって脳の機能が低下すると、「眠る」という機能そのものがうまく働かなくなるからです。
これが進行すると、うつ病などの精神疾患につながるリスクが高まります。
「睡眠時間が短い=異常」ではない
診察でもよくあるのですが、「最近忙しくて睡眠時間が短いんです」という人がいます。そのとき私は、こう聞きます。
「短くても、ぐっすり眠れていますか?」
これに対して「はい、すぐ寝てしまって朝まで熟睡です」という場合は、そこまで心配しません。けれども、「疲れているのに眠れない」「途中で目が覚めて、そのまま眠れなくなる」という場合は、要注意です。
不眠の3つのパターンに要注意
① 入眠障害(寝つけない)
これは日常的にもよく起こるもので、心配事やストレスが原因で眠れないことは、誰にでもあります。たとえば、発表会の前や、職場の人間関係に悩んでいるときなどですね。
ただ、慢性的に続くようであれば、注意が必要です。
② 中途覚醒(夜中に目が覚めてしまう)
とくに重要なのが、この中途覚醒です。年齢とともに眠りが浅くなり、トイレなどで起きることもありますが、急にその回数が増えたり、再入眠ができなかったりする場合は注意が必要です。
本来は、疲れていれば、途中で起きたとしてもすぐにまた眠れるはず。そうでないなら、脳の機能に何らかの変化が起きている可能性があります。
③ 早朝覚醒(朝早くに目が覚めてしまう)
たとえば、目覚ましが鳴るはずの朝6時よりもずっと前の3時や4時に目が覚めて、そのまま眠れない。
こうした「早すぎる覚醒」も、精神的な異常のサインとされます。
これまでは目覚ましギリギリまで寝られていたのに、急に早朝覚醒が起こるようになったという場合は、特に注意が必要です。