わずかに上位概念化した発想のお題
1.特定のターゲット層にアプローチするにはどうすればいいか
・ジュニア層向けの自転車販売を強化するにはどうすればいいか?
・高齢者層のニーズに応える新しい自転車を考えよう。
・通勤用の自転車をより魅力的にするにはどうすればいいか?
2.地元市場での売上を伸ばすにはどうすればいいか
・地域限定のプロモーションキャンペーンを考えよう。
・地元のイベントに積極的に参加して注目を集めるにはどうすればいいか?
・地方の自転車ショップとの連携を強化する方法を考えよう。
3.ブランドの認知度を高めるにはどうすればいいか
・SNSを使って若年層にブランドを広めるにはどうすればいいか?
・インフルエンサーとのコラボレーションを考えよう。
・メディアを利用してブランドストーリーを伝える方法を考えよう。
中程度に上位概念化した発想のお題
1.新しいマーケットを開拓する方法を考えよう
・オンライン販売チャネルを強化して新しい客層を開拓するにはどうすればいいか?
・サブスクリプションモデルを導入して新市場を開拓するにはどうすればいいか?
・海外市場でのブランド展開をどう進めるべきか?
2.顧客体験を向上させるにはどうすればいいか
・店舗での顧客体験をデジタル化して向上させるにはどうすればいいか?
・購入後のサポート体制を強化してブランドロイヤリティを高めるにはどうすればいいか?
・顧客のフィードバックを製品改善に反映する方法を考えよう。
3.持続可能なビジネスモデルを考えよう
・エコフレンドリーな自転車を開発するにはどうすればいいか?
・リサイクル材を使った製品ラインを導入する方法を考えよう。
・持続可能なサプライチェーンを構築するためのアイデアを出そう。
高度に上位概念化した発想のお題
1.価値の再定義とブランドリポジショニングを考えよう
・「移動手段」ではなく「ライフスタイル」として自転車を位置づけるにはどうすればいいか?
・ブランドアイデンティティを再構築して新しい魅力を打ち出すにはどうすればいいか?
・社会貢献活動を通じてブランド価値を高める方法を考えよう。
2.顧客とのエモーショナルなつながりを強化するにはどうすればいいか
・顧客のストーリーテリングを通じてブランド愛を深める方法を考えよう。
・コミュニティイベントを開催してユーザーのつながりを強化するにはどうすればいいか?
・ブランドアンバサダーを活用して顧客体験をエモーショナルにするにはどうすればいいか?
3.社会全体のトレンド変化に対応する
・健康志向のライフスタイルを推進するための自転車の役割を考えよう。
・働き方改革に連動した新しいビジネスモデルを考えよう。
・都市開発と連携して快適な自転車ライフを実現するにはどうすればいいか?
良いお題が見つかると、解決につながりそうなアイデアも自然に湧き出てきます。漠然とした悩みも、AIによって考えやすい「お題化」すれば、人間は解決策だけに頭を使えるようになります。
「わずかに」上位概念化された問いの多くは検討済み、あるいは実施済みである可能性も高いかなとは思いますが、もし見落としがあったならば儲けものです。
中程度の抽象化を見てみましょう。それぞれ考えるに値するお題かなという印象です。
そのなかでも「サブスクリプションによる新市場」という問いからはアイデアが生まれそうです。これまでも故障修理といった、いわゆるリスクヘッジのような形の継続契約モデルはありました。いわばマイナスをゼロにする系の施策ですが、その逆、自転車の性能をアップするパーツを順次追加したり交換したりしていくといったサブスクリプションはできないだろうか。高価格帯のスポーツモデルはもちろん、たとえばママチャリでも、子どもの成長に合わせて装備したいパーツは変わるはず。などなど、販売台数拡販以外の売上アップ策の可能性が見えてきませんか。
高度に抽象化したお題にもヒントがありそうです。社会トレンドの「働き方改革」に目を向けて、そこから「リモートワーク」や「社員の健康維持」といった切り口に焦点を絞れば、従業員に自転車を貸与する制度を企業に提案する施策なども考えられますね。
上位概念化と聞くと「高尚な悩みじゃないとダメかな?」なんて思いがちですが、ベタな悩みにもこの技法はおすすめです。むしろありきたりな悩みほど、発想も縮こまりがち。そんなときこそ技法「悩みの抽象化」を使ってほしいのです。視野も広くなり、アイデアの拡がりも出てきますから。
技法その46「悩みの抽象化」、ぜひ活用してみてください。
(本稿は、書籍『AIを使って考えるための全技術』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です。この他にも書籍では、分析、発想、発展、具体化、検証、予測といった“頭を使う作業”にAIを活用する方法を多数紹介しています)