写真はイメージです Photo:PIXTA
TeamsやZoom、そしてメールにSNS……。こうした本来便利なはずのツールで、心を疲弊させる人が増えている。情報洪水時代にストレスをためず、心穏やかに仕事を続けるにはどうすればいいのか。※本稿は、生産性向上コンサルタントのデビッド・アレン著、生産性向上コンサルタントのエドワード・ラモント著、ブロガーの田口 元監訳『GTDでチームを強化する ストレスフリーの仕事術』(二見書房)の一部を抜粋・編集したものです。
社員に負荷をかけすぎると
会社の損失になって返ってくる
ドイツに拠点を置く、ある金融系クライアントの話だ。
この会社の経営会議では、社員の疲弊やストレスがいつも議題にあがっていた。あまりにも頻繁に取り上げられるため、その話し合い自体が負担になっていたが、それ以上に深刻だったのは、人材の流出と経済的な損失だった。
社員が疲れ果て、次々に辞めていくことで、会社は大きな代償を払いつづけていたのだ。
ドイツでは、仕事のストレスによる心身の不調は軽視できない深刻な問題とされており、企業や経済全体にも大きな影響を与えている。疲れ切って働けなくなった従業員は「病欠」とみなされ、最長1年半にわたって給与の一部が支給される。
さらに、復職を希望する場合は、元の職を確保し、段階的に仕事に戻れるようにサポートしなくてはならない。たとえば、復帰1週目は週10時間勤務、次の週は15時間勤務といった形で、少しずつ勤務時間を増やしていくのだ。
この制度はよく考えられており、人道的な配慮もされていると言える。しかし、それで本当に問題が解決するのだろうか。







