「今がチャンス」と思って買う人が陥りがちなインド投資のNG思考
東京大学大学院卒業後、ゴールドマン・サックスに入社。30代にして上位数パーセントの幹部、マネージング・ディレクターに就任し、アジアのトレーディングチームを率い、巨額の利益を上げた。その後、200兆円超の運用残高を誇る世界有数の機関投資家・ゆうちょ銀行で投資戦略を牽引。そんなマーケットの最前線を知り尽くしたトップトレーダーが、個人投資家が一生使える「オルカン」「S&P500」の“次の投資術”を徹底指南した初の著書『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)。投資初心者でも実践できるよう、徹底的にわかりやすく投資手法を体系化。ゴールドマン・サックス仕込みの「投資思考」「オルカン+4資産均等型」といった実践的なポートフォリオ(資産配分)の構築方法有望な個別株の見つけ方まで、すぐに役立つノウハウが満載!

【ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが教える】中国株の二の舞か? それでもインド株投資に“合理性”がある理由Photo: Adobe Stock

「次はどの国が伸びる?」――新興国株に熱視線

経済成長が著しい新興国の企業への投資はどうなのでしょうか?

投資信託の資金流入ランキングなどを投資先の国別に見てみると、米国以外ではインドの人気があるようです。

BRICS・グローバルサウスへの注目

ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ(BRICS)グローバルサウス(新興・途上国)と呼ばれる国々は、人口増加や国家間の連携が深まることで国際的な存在感が高まるとともに、経済成長が期待されています。

投資の鍵は「人口」だ

国の経済成長を予測するときには、「人口統計」がよく使われます。

株価上昇の原動力となる経済成長は、人口動態に比例するからです。

“13億人の未来”に賭ける

それゆえ、人口の爆発的な増加を見込むインド経済の台頭は納得できますし、これまで未開発だった通信技術や社会インフラへの投資を一気に増やし、技術革新による生産性向上も期待されます。

そう考えれば、インド企業への株式投資は、それなりに合理的といえるでしょう。

あの中国バブルの記憶がよみがえる

ただし以前、中国株投資がはやり、その後、失墜したことを思い出すと、多少の不安が残ることも確かです。

米中関係がぎくしゃくし始めたのは10年以上前ですが、今日のように中国経済が失速する状況は、ほとんどの人が予測できなかったでしょう。

中国の復活か失速か?

今後、中国が復活する可能性がないわけではありませんが、このまま失速していくという見方もあります。

インドは“第二の中国”になれるのか?

インドが世界一の経済大国を目指して突き進むのか、あるいは中国のようになるのか。これを見極めるのは、簡単ではありません。

そのような余計な心配をしないためにも、全世界株式、つまり「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(オルカン)に投資しておくのが正解だと私は考えます。

※本稿は『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。