テスラがレストランをオープン!3時間待ちでゲットした「テスラ・バーガー」の味は?〈米国〉

テスラ・バーガーとコーヒー
肝心の味は?

 ところで、ダイナーの味はどうなのか。

 週末の店内は大混雑で商品の注文が難しかったため、後日、平日の朝9時過ぎに再び同店を訪れた。

 すると今度はすぐ店内に入れた。

 デバイスを使って13ドル50セントのテスラ・バーガーと4ドルのコーヒーを注文すると、数分以内に商品がカウンターで渡された。

 カウンターの内側には10人以上の品出し担当の店員がおり、さらにカウンターの外にも6人以上の店員が待機している。

 この時、店内の客のほとんどが中国語を話していた。たまたま中国からの観光客がこの朝の時間に集中していたのかもしれない。

 一方、キッチンのすぐ外のカウンター内では店員たちがスペイン語で話している。

 中国語とスペイン語が飛び交う店内でオードリー・ヘップバーンの映画『ティファニーで朝食を』のテーマ曲「ムーンリバー」が流れていた。

 窓際のテーブルに座ってバーガーを食べてみたが、正直、美味しくもまずくもないという感じの味だった。コーヒーの味も普通だ。

 3時間待つ価値がある味かと問われればノーだろう。食べ終わる頃には、すかさず店員がトレーを下げに来た。

 1階の店内に限って言えば、ゴミ箱は店員がいるカウンターの中にしかなく、客のゴミは全て店員が片付けるしくみで、客にゴミ箱へのアクセスを与えない。これは必要以上に客が長居するのを防ぐためかもしれない。

 店の外に出ると、駐車場のそばに黒いワイシャツと黒ズボン姿の男性、ホセさんが立っていた。彼はテスラ・ダイナーでの就職面接の時刻まで外で待機しているのだという。

「友人がすでにこの店で働いていて、時給は20ドル。夜間の時給は30ドルだと誘ってくれた。30ドルは魅力的だ。是非夜間も働きたい」と彼は言う。

 ホセさんは現在、ビバリーヒルズのレストランで勤務しており時給は17ドル程度。24時間営業のテスラ・ダイナーの方が時給が高い。

 ビバリーヒルズのレストランの料理メニューとこのダイナーのメニューはかなり違うはずだが、彼は「もっと稼ぎたいから」と意欲的だった。

 マスク氏は今後、テスラ・ダイナーをテキサス州のスペースXのロケット発射地であるスターベースにも建設すると発表している。

 このウェストハリウッド地区を走るサンタモニカ大通りは「ルート66」と呼ばれ、アメリカの古き良き歴史を感じさせる道路だ。

 だが、マスク氏が影響力を持つDOGEは国立公園関連の予算を2600万ドル削減する方針を固めている。

 この予算削減が現実になれば、「ルート66」上に存在する1950~60年代に建設された古いダイナーなどの歴史的建築物の修復や保護の予算がカットされてしまう恐れがあり「ダイナー文化の危機」だと地元の歴史家たちは警告している。

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