私はよくSNSで、「『普通の人』なんて実在しない生き物を目指すからしんどくなる。大丈夫、みんなどっかは変だって」のような発言をします。

 これは、けっこう多くの人が「普通」って言葉にとらわれすぎてないかなと思っているからです。

「みんな普通にできているよ。できないのは甘えなんじゃないかな」などと言われても、自分を責めたり、無理したりする前に、いったん立ち止まって考えてみてください。

「本当に甘えだろうか」

「みんなって、100人が100人できているだろうか?」

「みんなができていても、私ができないこともあるのでは?」

 と考えてみるのです。

 自分の「できない」を、勝手に「努力不足」に変換してはダメです。

 みんなができていても、普通はできていても、自分はできなくていい。

 得意、不得意は誰にでもあって、能力は人それぞれ。

「普通はできても、自分はできない」で線引きしてOKなのです。

昨日はNGでも今日はOK
線の位置はその時々で変えていい

 人間関係に「線を引く」というとき、一度線を引いたら、それをずっと守らないといけないと思う人がいます。

「職場で突然のランチの誘いは断ろう」と線を引いたら、「ずっと守らなきゃ」みたいに思ってしまう人のことです。

「この間は、同僚のランチの誘いを断ったから、今回も断らないと」みたいに思ってしまう真面目な人ですね。

 けれど、それは誤解です。

 線引きは「変えてもいい」のです。

 だって、自分の考え方や体力、感じ方はその時々で変わるものだから。

「自分のキャパシティ」と一口にいっても、ずっと固定され安定しているわけじゃないと思いませんか。

 仕事を始めて2年目の社員がいたとして、1年前の新人ほやほやのキャパシティと今日のキャパシティは違いますよね。

 そうなると「この前はNGだったけど、今は余裕ができたのでOK」なんてこともあるわけです。

 極端な話、「昨日の自分」と「今日の自分」でも違ったりします。

 だから、「今日の自分」の状態で「できる」「できない」の線引きを変えてもOKなのです。

「その時その時の自分しだいで線を引いてもいい」のです。

 人間、疲れていたらOKの範囲が狭まるでしょうし、逆に調子がいいときならOKの範囲が広がるでしょう。

「今の自分」の体力や置かれた環境で判断してOKなのです。