学歴が重視される背景を知ろう

――なるほど。理解はできるものの、なぜか釈然としない気持ちもあります。

びーやま:それも理解できます。ただ、現状そういう風にはなっていて、それは受験生がどうこう言ったところで変えられるものでもありません。また、企業側も膨大な人を限られた時間で見なければいけないがゆえの苦肉の策が「学歴フィルター」ですから、責められないなと。

 それであれば、こちら側がそのルールを活用できるように振る舞うのがベストな判断だと言えるので、僕がいつも主張しているのは、よほどやりたいことがない限り、大学は学部だけでなく大学名も重視しようということです。

 文系学生の場合、「経済・経営・法」が就職に有利で、「文・教育・社会」は就職に不利と思われがちですが、関係ありません。少しでも上の大学で、真面目に過ごしていれば、学部関係なくいいところに就職できます。

 学部が見られる瞬間なんていうのは極めて稀で、基本は大学名です。そのため、MARCHの文学部と日東駒専の法学部だったら、普通にやっていれば前者のほうが市場価値は高いです。このことを受験生には知ったうえで進路を決めてほしいなと。

 もちろん、「どうしてもこれがいい」ということがあれば、それ以上の正解はありませんが、可能性を広げてみたいみたい気持ちがあるなら学部よりも大学名を優先するのは悪いことではありません。

――でも、「大学はやりたいことを決めてからいけ!」みたいな風潮が強くないですか?

びーやま:あまりそういった意見は気にしなくていいと思います。

 言っていることは正しいですが、きれいごとです。みんながみんなそんな上手くいくわけじゃないですからね。

 そもそも17歳とか18歳でやりたいことが明確なほうがめずらしいわけで、仮に決まっていたって、大学に入って広い世界を知ったら考えが変わるかもしれないじゃないですか。だったら、やりたいことが変わってもレベルの高い大学にいたほうが軌道修正は楽なわけで、そのほうがいいですよね。

 しかも、文系の場合は、学部を跨いで授業を受けられることが多いですから、入ってさえしまえばどうにでもなります。

 ですので、このあたりはもう肩の力を抜いて考えてほしいなと思います。

――最後に受験生へのメッセージをお願いします。

びーやま:自分のやりたいことや興味のあることを考えるのと同時に、世の中の評価がどうなっているかも頭の片隅に入れておいてほしいです。

 それは、世間に媚びろという意味ではなく、自分を客観視してほしいということです。「世間の評価は厳しくても僕はやり切る」というのでも正解ですし、「不安だから偏差値を優先にする」というのも正解です。

 大事なことは、「いろいろなことを知ったうえで選ぶこと」ですから、まずは選択肢をなるべく多く持ってほしいなと思います。

――本日はありがとうございました。

びーやま[著]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。