一橋大生の生活と性格

 一橋生は要領が良く、受験勉強が苦だったというタイプはほとんどいない。実際は東大を諦めた人も多いのだが、志望動機は「東京にある文系の国立大学だと、一橋くらいしかなかったから」とサラリと答えたりする。

 別名「芋ツ橋大学」とも呼ばれ、「慶應のダサイ人=一橋生」(OBの強さ、経済系重視の校風と共通点が多い)との説もあったが、今の学生は「なぜ慶應と比較? 共通点は感じない」と不思議そう。

「あんなキラキラした大学とは比較しようという気も起こらない」(商学部生)「むしろグローバル化という意味で早稲田を意識している」(経済学部生)とのこと。

 学費、寮費の値上げ断行について、「学生の意見に耳を貸さない姿勢に辟易している学生が一定数いる」(商学部生)という一方で、「京大のようにみんなを巻き込んでいくような勢いはない」と冷静な声もある。

 思い入れより効率優先で、合理的だが面白みに欠けるとの評多し。かつてあったクラスの一体感は失われ、「つながりが弱くなった」という。「男子学生は在学中はモテないが、社会に出ると“高学歴・高収入・性格が無難”という理由で急にモテるようになるらしい」(法学部生)。

 半数くらいの学生はキャンパスの近所に住んでおり、自転車通学している。約6割の学生が実家から通っている。「国分寺で遊ぶことが多い」「よく行くのは三鷹、立川、吉祥寺。ときどき新宿。まれに八王子でも飲む」。インカレサークルは津田塾がほとんどで、ほかとの交流はあまりない。

「有名企業への就職率が高い大学ランキング」といった調査では、いつもトップか上位をキープ。「学内説明会に300社が来てくれる。合同説明会に行く必要がない」(法学部生)「本気で頑張ってる人には、東大生と変わらない評価をくれる企業も多い」(社会学部生)という学生の声も。

 商社や金融に強く、中でも大手に就職する卒業生の数が圧倒的に多い。「大手志向の強い人が多く、企業側も一橋大生対象のセミナーを開いたり、卒業生がリクルーターとして後輩を積極的に採用しようとしたりしている」(経済学部生)とか。

 東大が官僚養成機関なら、一橋は大企業の中間管理職養成機関と言える。「ゼミの一橋」だけあって、就職指導も主に学部、ゼミが実施。