私はウーバー配達員として7300回。出前館配達員として300回。あわせて7600回の配達を、すべて自転車(ママチャリ)で行ってきた。配達員として街を走っている際、私は自転車の危険運転を目撃しない日がない。

 本人に悪気がない、危機意識がないパターンも多いような気がしており……。だからこそと言うべきか、余計にタチが悪いと感じている。例えばつい最近だと、私はこのような「ヒヤリハット」に遭遇した。

マジで勘弁して…。配達員が
高頻度で遭遇する危険走行とは?

 その日、私は四角いバッグを背負いながら、国道2号線の車道を走行していた。私から見て左側、歩道には40代くらいの女性が電動自転車で走っていた。その女性は、後方を確認しないまま急に、車道側に飛び出してきた。慌ててブレーキを握ったので衝突することはなかったが、正直かなりヒヤッとさせられた。

 こういった自転車の「車道への飛び出し」は、デリバリー配達員として働いている際、かなりの頻度で遭遇する。危険運転をすることばかりが取り上げられるデリバリー配達員だが、実は、危険運転に遭遇する機会が少なくないのだ。

 あくまで私個人の体感値としては、後方確認のないまま車道へ飛び出してくる割合は属性によってかなり偏りがあると感じている。原因はわからないが、日ごろから車を運転している者なら、合流地点での確認作業は身体に染み込んでいるはず……。もしかしたら車道へ急に飛び出す人は、車の運転にあまり馴染みがない人なのかもしれない。

 車道に飛び出す危険さえ認識できていない人は、より“安全”な歩道にも突入してくるはずだ。言うまでもなく、歩道を歩く人の危険は増す。

 ここで問題なのは、危険運転をした本人がそのまま現場から立ち去ってしまうことだ。危険運転について反省する機会が与えられない以上、同じような危険運転を繰り返し、その度に周りが迷惑を受けることになる。最悪の場合は大事故につながるかもしれない。