野田 私は代弁者って思っているからいいんだ、何言われても。選択的夫婦別姓も、私が望んでいるんだろうって言われているけれど、私自身はどんな名字でもいいと思うし、この仕事を辞めたら別に野田じゃなくてもいいと思うし。今、私は野田っていう名前で勝負しているから、それをダブルネームにするのは、有権者に対して違うなって思っているぐらいのことで。
自民党で30年別姓を言い続けるって、すごいことらしいんだけど、それは自分のためにやっていないから言える。客観的に必要なものだろうと思うから続けられる。その都度バッシングする人はいるし、それは入れ替わり、立ちかわりなんだけど、そういう心持ちでいたら、誰でもできると思う。
国民が何を望んでいるのか
敏感になることが大事
辻元 予算委員会なんかは、総理と直接議論できるでしょ。普通の人にそんな機会は一生なくて、議員の中でも選り抜かれたメンバーしか立てないわけ。そうすると、つい気負って、自分のこだわりに終始してしまう質問をよく見るの。これ、自分の反省でもあるんだけどね。
でも、そこに立たせてもらっているのは誰の力かっていうと、やっぱり国民です。国民の代表として、そこにいる。そう思って、自分のアンテナを高くしていたら、みんなが言って欲しいことが何かわかる。みんなが言って欲しい、関心のあることをバーンと質問したら、やっぱり勢いがあって広がるわけですよ。物事、事態を動かしていく力がある。
政治の急所の可視化だよね。聖子ちゃんの言う「人の思いを貫く」とよく似ていて、ポピュリズム的にうけるうけない、とは全然違う感覚なの。大事なのは、みんなが何を望んでいるかに敏感になることで、そこに特殊な能力はいらないと思う。
長野 でも一般人からすると、辻元さんみたいな質問、ああいうふうにできなきゃ議員はできないのかしらって思っちゃいますよ。
野田 この人はね、もうすごい飛び抜けていいから。
辻元 私、めちゃめちゃ準備するタイプで秘書に呆れられるんだけどさ、結局前日にポンッと、自分の中に「降りてきた」質問に差し替えて、それが当たることが多いのね。ただ、外すとね。ああ言えば良かった、こうすれば良かった……と数日はもんもんとして、やっぱり秘書に呆れられて。