「痛みは全てを奪う…」難病患者の告白、現代の“お医者様”の対応に「何か物足りない」と思うワケPhoto by Eijiro Hara
「痛みは全てを奪う…」難病患者の告白、現代の“お医者様”の対応に「何か物足りない」と思うワケPhoto by Eijiro Hara

 転院先は、成田リハビリテーション病院。リハビリ専門で、隈研吾氏が設計した素敵な病棟が特徴だ。ここで原則1日3コマのリハビリを受けた。2コマがPT*、1コマがST** である。

*PTとはPhysical Therapist、理学療法士のこと。身体の機能低下や障害のある人に対して、運動の指導やマッサージなどを用いてリハビリを行う医療専門職
**ST(Speech-Language-Hearing Therapist)は、言語聴覚士の略称。話す、聞く、食べるなどの機能に障害を持つ人に対してリハビリや訓練を行う医療専門職

 こうしてついに24年6月、ヘルニアの手術から約4カ月ぶりに退院することになった。とはいえ実は、病院側は、まだ1~2週間ほど入院が必要との考えだった。しかし俺が、「孫が出場する合唱コンクールに行きたい」と頼み込んだのだ。

 結果、自宅の1階のみで暮らすことが退院の条件になった。それから現在に至るまで、基本的には同じことの繰り返しだ。夜中にトイレに起きたとき、朝ベッドから立ち上がるとき、恐ろしく腰が痛む。手術前の車椅子生活のときの痛みを10とすれば、8か9くらいの痛みだ。

 家内は「歩けるようになっただけも手術の効果はあったわね」と言う。しかし、俺は「いや、分かってないなあ」といつも心の中で叫んでいる(もしかしたら心の中ではないかも……?)。とにかく痛みはおさまらない。