従来の学校教育では難しかった早期の高度な教育も、AIを通じて柔軟に受けられるため、「もっと深く学びたい」という好奇心を持つ子どもたちの可能性が広がるというメリットもあります。これはもちろん高齢者にとっても同様です。

 AIを上手に活用すれば、何歳からでも自分の好きなことを深く追求し、新しい知識や技能を身につける機会が提供されるのです。

趣味を高める難易度は
AIの登場で大きく変わった

 かつては年齢や仕事の忙しさを理由に諦めてきたことも、AIの存在によって挑戦が可能になります。

 もし、あなた自身に昔あきらめた夢や想いがあるならば、AIによってそれを今から叶えられる可能性は非常に高いです。

 僕はシニアの皆さんに、「昔取った杵柄」を活かした新しい挑戦をおすすめしています。若い頃に忙しくてできなかったことや、諦めてしまった趣味などに、AIを使って再チャレンジするのです。

 音楽を例に挙げると、かつては音楽制作をするならば、バンドを組んでスタジオなどの練習場所を探す必要がありましたが、今では「ガレージバンド」のようなアプリで簡単に1人でも音楽制作ができます。

 カナダ出身のアーティストであるグライムスは、テクノロジーを駆使して、1人で作り上げたアルバムを発表しています。

 アニメや映像制作も同様で、以前は専門的な技術が必要でしたが、今ではAIを使って簡単に質の高い作品が作れるようになっています。

 近年では、スマホのフリック入力で小説を書く作家の存在も話題になっています。

 2023年の芥川賞を受賞した九段理江さんの『東京都同情塔』のように、AIを活用して小説を執筆する例も増えています。

 シニアにとって、これからはAIを通じて、自分のやりたかったことを実現する最高の時代が来ると思います。昔諦めた夢や新たな好奇心を追求するために、AIを積極的に活用していただきたいと心から願っています。

言葉の壁が消えた世界では
普遍的な作品が評価される

 AIの大きな利点のひとつは、言葉の壁がなくなり、シニア世代にも新たなチャンスが広がることです。