シニアのビジネスパーソンと若い部下写真はイメージです Photo:PIXTA

部下と仕事の会話をするとき、つい「教えてあげる」立場で接してしまいがちだ。しかし、その姿勢は、若者との距離を広げているだけ。一方で、なぜかまわりから愛されている中年には、ある共通点があった。若者に好かれる年長者の振る舞いとは何だろう?※本稿は、茂木健一郎『60歳からの脳の使い方』(扶桑社)の一部を抜粋・編集したものです。

若い人に教えるのではなくて
教えてもらうという姿勢が大事

 年を重ねると、若い人と接するときにはつい「教えてあげる」という気持ちが先行しがちです。でも、その気持ちはもったいない。もっと彼らから「教えてもらう」という気持ちを大事にしましょう。

 現在、僕は屋久島おおぞら高等学校という通信制の高校の校長をやったり、大学で大学生に教えたりと、若い世代としゃべることが多いのですが、彼らとの会話で教わることは非常に多いです。

 特に、年を重ねれば重ねるほど、若い人との交流で刺激を受ける部分が増えているように感じます。

 たとえば、みなさんは「BeReal.」というSNSをご存じでしょうか?

 これは、“盛れる”SNSとして知られるインスタグラムと正反対の“盛れない”SNSだとして話題を呼んでいます。

 インスタグラムの場合は写真の一部を切り取って、自分をかっこよく見せることができます。でも、そうした加工等は一切なく、全部筒抜けになるのが「BeReal.」の特徴です。

 僕がこのSNSの存在を知ったのは、高校生から「校長、BeReal.でやりとりさせてください」と言われたことです。

 そのほかにも、最近関心を持ったのが「VTuber(ブイチューバー)」です。