実際、新学期になっても白い肌だと、教師からは「夏も終わっているのに、そんな青っちろいモヤシみたいな体でどうする。情けないヤツだ」といわれ、反対に真っ黒になっている生徒は「○○君は、まるで南洋の土●(差別用語)のようだね」といって褒められたりしていた。
また、9月中旬に行われる神社の秋祭りでは、よく「く●んぼ(差別用語)コンテスト」というのも開かれていて、優勝した子にはノートや鉛筆が贈呈されていた。
ハワイやグァム・サイパン等への海外にも「たっぷり焼いてきます」などといって出掛ける人が多く、時には焼き過ぎて死んだ話がニュースになったりすることもあった。
筆者の記憶では、昭和の終わり頃にも、海外の島で真っ黒になってきたOLが帰国後に「具合が悪い」といって会社を休み始め、同僚が様子をみにいったら亡くなっていて、死因は「やけど」だった……なんて事故が報じられていて、この時にはニュースキャスターも「日焼けもほどほどに」といって注意喚起していた。
アスベストが授業でも使われて
“魔法の素材”と信じられていた
かつて石綿(アスベスト)は、「奇跡の鉱物」「燃えない建材」とされ、建築の際に盛んに使用されていた。
昭和世代で「石綿」といえば、すぐに頭に浮かぶのは理科の実験であろう。小学校?中学校時代に、ビーカーを「石綿金網」の上に載せ、下からアルコールランプで熱した経験は、ほぼすべての人が持っているはずである(現在は石綿ではなく、セラミックを使用)。
筆者も小学生の頃、布のようなのに燃えないのが不思議でならず、実験中に担任教諭に質問したことがあった。すると、その時の担任は「これは石綿といって、普通の布みたいにみえても実は石なんだ。世の中がみんなこれになったら火事がなくなるね」などと答えていた。