
1件高額での成約事例が出ると
つられて周りの物件も価格が上昇
中国人投資家が都心のマンションを購入している話は業界内ではよく聞く。デベロッパーに新築マンションの外国人購入割合を聞くと、20~40%と回答する会社が6割強を占める(三菱UFJ信託銀行調べ)。高値で買ってくれる買い手が多いと、相場価格は上がりやすい。
実例を示そう。パークコート浜離宮ザタワーという2019年竣工の中古マンションがある。パークコートなので三井不動産レジデンシャルが売主で、浜松町駅徒歩5分の37階建てのタワーマンションである。アンケート調査で、港区の中では浜松町が最もマンション立地として魅力がない結果を見たことがある。都心のタワー物件として特筆すべき点があるかというと、そうとは言えない物件である。
しかし、ここ1年の成約価格は80平方キロメートル前後で4億円を超えている。もう1年さかのぼると、3億円弱だった物件が、1件でも価格の突出した成約事例が出ると、軒並みこの上昇である。その間、再開発の街開きがあったわけでもないし、新駅ができたわけでもないのに、である。
現在、この物件を物件検索サイトで探すと、売出価格はすべて4億円からとなっている。そうなるのには理由がある。高値の成約事例が出ると、周辺の仲介会社は営業活動を猛烈に行う。その物件にポスティング等をして「4億円で売りましょう」という営業トークで売りを募るのだ。
売り物件の売却依頼を受ける契約を「媒介契約」と言う。媒介の多くは、専任の1社独占になることが多く、媒介契約までたどり着けば成約する確率が8割以上となる。たとえ、3億円強で成約しても手数料率3%で1000万円の売り上げが見込める。しつこいほどに営業してくるには理由があるのだ。