
焼き芋販売や不用品回収など、一見儲からなさそうに見える軽トラ移動ビジネス。ところが、単価が低くてもしっかり利益が出せる仕組みが確立されていた。あなたの仕事にも応用できる、成功するビジネスパターンとは?※本稿は、坂口孝則『駄菓子屋の儲けは0円なのになぜ潰れないのか?「しぶとく生き残るあの店」にはワケがある』(SBクリエイティブ)の一部を抜粋・編集したものです。
あえて冬しか売らないことで
希少性を高める焼き芋屋
焼き芋屋は、基本的には秋から冬にかけての季節限定ビジネスです。この季節感を活かし、限定感を演出することで、消費者の購買意欲を高めています。
焼き芋屋はもともと、歴史を遡ると江戸時代に始まった古い商売です。街中を移動しながら販売することで、固定店舗を持たず、家賃などの固定費を削減しています。
必要なのはイモと燃料費、後は売り手の人件費だけ。初期費用もリヤカーならば100万円くらい。軽トラックならば200万円から可能な、低費用で起業できるビジネスです。
また、焼き芋屋は、農作物を加熱するビジネスです。複数のイモを使っても、レストランのような複雑な商品管理は必要ありません。
さらに、焼き芋屋はそれ自体が周知されており、移動販売時の売り声が日本人の食欲をそそります。江戸時代からの伝統に乗っかることができるので、マーケティングコストが不要なのです。
ちなみにお馴染みの石焼きの手法は戦後から登場したのですが、窯に敷いた石が70度でじっくりと焼くのでサツマイモがちょうど甘くなり、それが日本人好みといわれます。