「農家はこれから減っていく」と語るのは、株式会社久松農園代表の久松達央氏だ。作り手と買い手が直接マッチングできるようになった今の時代、農業に求められるものが大きく変わってきているという。実業家の堀江貴文氏とともに、農業の現状と未来について語り合う。※本稿は、堀江貴文『僕らとビジネスの話をしよう。 新時代の働き方』(大和書房)の一部を抜粋・編集したものです。
「農家はもっと減っていい」
堀江と久松の意外な視点
久松達央(以下、久松) 僕は、農家はもっと減っていいと思っているんですよ。
堀江貴文(以下、堀江) 僕も自然に減ると思いますね。うちは母親の実家が農家なんです。メインは戦後に始めたみかんだったんですけど、周囲もみかんをやり出して、すぐに過当競争になってしまった。段ボール箱に入ったみかん1箱の卸値が200円くらいでした。だから、どうやって食っていたのかよくわからないんですけど、多分、補助金とかをもらっていたんでしょうね。
金泉俊輔(以下、――) 実は本日、久松さんが野菜を持ってきてくれています。
久松 これは「大長茄子」(全長が40~60cmに成長する大型の茄子)といって、もともとは九州などでよくつくられていた茄子です。皮が柔らかくて、持つと軽いんです。中がスカスカなので油をよく吸うんですよ。
堀江 じゃあ、炒め物とかにいいですね。和牛の牛脂を吸わせたらおいしいかもしれない。
久松 これは「ライムバジル」といって、ライムの香りがするんです。なぜ今日持ってきたかというと、明日になったら香りが飛んじゃうからです。収穫して数時間だけこの香りがする。そもそも流通には向かないバジルなんですよ。