その上で、「とやかく言う人がいたら、言わせてあげたらいい。言いたいこと言えば気持ちいいでしょう?気持ちよさをあげたと思えばいい」とも。

 息子はぐずぐず言いながらも学校に行き、「班の友だちが、『くろちゃんは味がわかるから、試食だけでも来てくれてよかった』と言ってくれた」と教えてくれました。

 やがて息子は、「そっか、失敗をしたときは、相手のリスクを最小限にして、とやかく言いたい気持ちを吐き出させてあげれば、いいんだね」と理解するようになりました。

 悪口を言われたらどうしよう、ではなく、「いろいろ言って、向こうはスッキリするんだから、いいじゃない」と無邪気に考えていけばいい。他人の悪口なんかでめげる必要はありません。もちろん、反省すべき点があれば、しっかり改善すればいい。

30歳を過ぎたら
個性しか武器にならない

 とやかく言われるのがイヤで、なんとか「いい子」をし続けているとストレスになるし、あげく、人の言動が勘にさわって苦しくなってしまいます。自分がこんなに我慢しているのに、自由にふるまう人にイラついてしまう。つまり、寛大な女ではいられないわけ。

書影『運のトリセツ』『運のトリセツ』(黒川伊保子、扶桑社)

 30歳を過ぎても「いい子」でいようとし続けると、多くの人の気をそこねないように予定調和の毒にも薬にもならない会話しかできなくなります。それじゃ、個性が立たない。その人らしさのない大人なんて、そこにいる意味がないのでは?

 人は30歳を過ぎたら、個性が存在価値になります。その個性を手に入れるコツもまた、失敗を恐れないこと。

 人は、「失敗して、とやかく言われる人」くらいのほうが、結局は愛されるのだから、気にしないことです。

 相手に悪意があっても、「信じきったほうが勝ち」ですから。そのうち相手も裏切れなくなってくるので、周りに味方しかいなくなる。人を信じられるから、結果、「他人思い」になれるのです。