インタビュアーに、「これに勝ったら、あなたはプロの歌手としてデビューできます。緊張していますか?」と聞かれたとき、彼女は、「なんで緊張するの?みんな私の友達じゃない」と会場に腕を広げてそう答えました。すると、会場は割れんばかりの拍手喝采に。

 これこそが、無邪気さの力なのです。

 つまり、ここにいる人たちをみんな味方だと信じきれること。その無邪気な信頼が、本当に会場を味方につけてしまいました。

 たとえ、わずかに敵が混じっていても気にすることはありません。要は、自分が最大限の力を発揮できることに意味があるのだから。スーザン・ボイルは、最終バトルには負けたけれど、世界中が知る歌姫になりました。

自分を否定はしないけど
反省すべきところは直す

 私も、2000人の講演でも、全く緊張しません。それは、わざわざ時間とお金を使って来てくれる人を「みんな味方」だと思う感覚があるから。

 私の話を聞いて「つまらない」と言われても、気の毒なことしたなぁとは思うけど、ひるみはしません。それは、私の失敗ではなく、「自分に合わない人」の講演に来てしまった、その人の失敗だから。逆の立場でも、私はそう思うから。

 ただし、反省すべき点があるときは、潔く反省します。

「先生が、ずっと鼻の脇を触るので、気になって、講演が楽しめませんでした」と言われたときは、ちゃんと謝罪のメールを送り、講演中、顔に触れることを以後禁忌にしています。その日、産毛がその辺りにあって気になり、取ろうと思ったけど、張り付いていてうまく取れなかったんです(苦笑)。

 子育てをしているとき、こんなことがありました。息子が朝、お腹が痛くて遅刻したとき、これから登校すると、ちょうど調理実習の時間。

「今から行ったら、試食だけで心苦しいから行かない」と言うので、「あなたの分の食材も用意されているんだから、行きなさい。それで、お腹の調子がよかったら美味しく食べて、後片づけを人の2倍やること」と言いました。