「行動」を決めれば不安は入り込めない

「仕事を減らそう」と決めれば、次に考えることは「来月からシフトを減らせるよう、店長に相談してみよう」といった具体的な段取りになります。

「副業を始めよう」と決めれば、「どんな副業があるか調べてみよう」「そもそも自分の会社は副業がOKか確認しよう」という次のステップに進みます。

ここまで具体的になると、そこに不安が入り込む余地はほとんどありません。なぜなら、「こうしよう」という明確な意志があるからです。

言い換えれば、「行動をともなわない思考」はやめて、「行動をベースにした思考」だけをするのです。これを実践するだけで、不安は着実に減っていきます。

未来への不安はどう対処する?

「この先、何が起こるかわからない」という漠然とした不安も同じです。

これは行動をともなわない思考なので、それ以上考えても仕方がありません。そこで、「何が起きるかわからないからこそ、今できる備えをしておこう」と考えるのです。

例えば、「そろそろ年齢的にも、がん保険に入っておこうかな。少し探してみよう」と行動を決めれば、不安は軽減されます。

あるいは、「今は特にできることもないから、何もしないでおこう」と「何もしない」という行動を決めるのも、立派な一つの選択です。

幸せになるための思考トレーニング

物事の中心に常に「行動」を据えてください。そして、その行動を決めるために必要なことだけを考える。あとは、決めた通りに行動する。

基本的に、不安の少ない人は自然とこのパターンで動いています。漠然と思考を張り巡らせることはしないのです。

これは一種のトレーニングであり、意識して繰り返すことで身についていきます。

「行動をともなう思考」を意識

私たち人間にできることは、結局のところ「行動」だけです。いくら考えても、行動しなければ現実は何も変わりません。行動が結果を生み、その結果がまた次の行動を決めていきます。

「今のことに集中しなさい」とよく言われますが、これを具体的に言うと、まさに「行動のための思考に集中する」ということなのです。

もしあなたが不安に悩んでいるなら、ぜひ「行動をともなう思考」を意識してみてください。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。