だから、毎日の株価チェックなどが好きな人は個別株投資に向いているかもしれないですし、リスキーな投資で儲けていただいてもいいんです。でも、僕はそれに向いていない、好きになれないので、インデックス投信をイチ押ししているということです。
――一概に個別株投資がいけないわけではないのですね。
そうです。僕も少しですが個別株を持っています。株価の変動を楽しめる人ならば個別株はいいと思います。値下がりしたときも楽しめるくらいの精神力のある人なら、趣味としておすすめですが、下がったときに辛いと感じる人にはおすすめできません。
金銭的な余裕、精神的な余裕がないなら、原理として長期的に増えていくはずのインデックス投信やETF(上場投資信託)などがいい。
確実にできることがあるんです。それは節約。仕事でがんばって稼いで、がんばって節約して、がんばってインデックスに投資する。そのあとはお任せでいいと思うんです。マーケットの原理に任せる。
そうして放っておいて、テニスをやろうとか、いまはやりのピックルボールにちょっと挑戦してみようとか、人生を楽しむことを僕はおすすめしたいですね。
――パックンさんが実際に投資されている金融商品はどのようなものですか。
僕はいつも資産グラフをピラミッド型で説明するんですが、まずは土台を安定させるために底辺部分にローリスク・ローリターンの安全資産であるエマージェンシー資産(普通預金)と債券を置きます。その上にミディアムリスク・ミディアムリターンのインデックス型投信を積み上げます。これらだけで資産全体の80%を占めます。
ピラミッドの頂上部分の約2割が、個別株や不動産などのハイリスク・ハイリターンの資産です。個別株は思いがけず急騰することもあるし、急落することもありますが、ほとんど気にしません。あくまでも余裕資金で運用しており、土台を揺るがすようなことはないからです。
このどっしりとした倒れにくいピラミッド型の資産バランスを、僕は推奨しています。