
トラック運送業界で特定技能外国人ドライバーの受け入れに向けた動きが本格化してきた。将来的に人手不足のさらなる深刻化が予想される中、外国人ドライバーは新たな戦力として期待されている。愛知県にある岡崎通運で、「特定技能1号」(トラック)の在留資格を5月に取得したモンゴル国籍社員の事例を紹介する。(カーゴニュース編集部)
モンゴル国籍社員が日本で
トラックドライバーを目指すワケ
岡崎通運(本社・愛知県岡崎市、岡田泰和社長)では、モンゴル国籍のプレブジャンブ・アルタンシャガイさんが「特定技能1号」(トラック)の在留資格を5月に取得。現在はフォークリフトの運転技術を身に着けながら、トラックドライバーとしてのデビューを目指している。
現在、29歳のシャガイさんが日本に関心を持ったきっかけは、日本のアニメ。「子供の頃に日本のアニメを見て、将来、日本に行ってみたいと思った」。好きだったアニメは海外でも人気のある「ドラゴンボール」だ。
もうひとつ、シャガイさんを魅了したのが「日本車」。モンゴルでは日本から輸入された日本車が普及しており、およそ9割のシェアを持つ。中でも「TOYOTA」は圧倒的な知名度があり、ハイブリッド車は特に人気だ。
モンゴルのような寒暖差の激しい気候でも「故障しない日本車はすごくいい車」。大学ではシステムエンジニアリングを専攻していたが、「日本で車にかかわる仕事がしたい」と思い、日本語学校に通い、日本語の読み書きを学んだ。
現地で採用活動を行っていた岡崎通運と縁があり、2020年に特定技能実習生(工業用梱包分野)として来日。「最初はあまり日本語が上手に話せなかったが、会社の皆さんが丁寧に教えてくれて、たくさん助けてもらえた」と振り返る。
自動車部品を扱うムツミ・ロジネット・センター(愛知県岡崎市)に配属され、包装・梱包、仕分け作業などに従事。倉庫で自動車部品の在庫を目にし、「完成した車しか見たことがなかったので、車の中にこんなに部品があったのかと驚いた」。