無職の時期を支えたのは、まさかの彼女の一言だった――。
ベストセラー『「悩まない人」の考え方』著者の木下勝寿氏が「マーカー引きまくり! 絶対読むべき一冊」と絶賛する本がある。『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』だ。18年連続増収増益・年商146億円の企業FIDIAを率いる著者・森武司氏が本書で語るのは、「事業において一番大切なのは“仲間力”だ」というメッセージ。では、それは現場でどう実感されているのか?
今回登場するのは、FIDIAグループのFIDIA SOLUTIONSで営業担当を務める岡田将司氏。3度の転職を経験した岡田氏が、「仲間力」に救われた体験を聞いた。
(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

「別れよう」無職の彼氏に放った彼女の衝撃の一言Photo: Adobe Stock

「人を支えたい」と始めた仕事で、自分が壊れた

――岡田さんはFIDIA SOLUTIONSに入社する前、何度か転職を経験されたそうですね。転職を考えたきっかけは何だったのでしょうか?

岡田将司(以下、岡田):一社目では、人間関係の板挟みに苦しみました。上司と現場の間で立場が難しく、仲間が次々と辞めていく状況でした。自分もすり減っていきながら、「こんな時に仲間を支えられる人になりたい」と強く思ったんです。

その気持ちから会社を辞めて心理学を学び、心理カウンセラーの資格を取得しました。

――その後、心理ケアの資格を活かして働かれたんですね。

岡田:はい。保育関連の仕事に就いたのですが、続いたのは半年だけでした。No.2の立場で入社したんですが、トップの方とまったく合わず…。

その方は優秀で本部から表彰される方でしたが、仕事が終わった後に毎晩2時間以上も怒鳴り続けるんです。

終電まで続く叱責に、精神的に追い込まれてしまいました。
「つらい思いをしている人の心をケアしたい」という気持ちで入った仕事で、自分自身が壊れてしまいました。

無職の1年――人生の底を実感

――退職後はどのように過ごされたのでしょう?

岡田:最初は「もう行かなくていいんだ」と解放感がありました。周囲も「よく頑張った」と声をかけてくれましたしね。
でも、気付けば1ヵ月、3ヵ月、半年と過ぎ、次第に社会復帰の仕方がわからなくなっていきました。

それに転職歴や無職の時間が不利になって、転職活動もうまくいかない。

落ち込みました。髪もヒゲも伸び放題で、身だしなみにすら気が回らない。まさに、人生の底に触れたように感じた1年でした。

信じてくれる人の言葉が
再起のきっかけに

――そこから、どうやって立ち直ったのでしょうか?

岡田:当時、同棲していた彼女に「別れたほうがいい」と伝えたんです。「自分は彼女を支えられない」と感じて。そしたら「じゃあ結婚しよう」って言われて。

「今が一番しんどい時期なら、これ以上は悪くならない。きっときっかけが必要なんだよ」と言ってくれたんです。

驚きましたね。自分では将来性なんてないと思い込んでいたのに、ここまで信じてくれる人がいるんだと。

その言葉で「頑張ろう」と心から思えました。それからの仕事探しを頑張れたのは、正直、「結婚式の時に勤め先を言われても恥ずかしくないようにしなきゃ」というのもあるんですけどね。

その時に「結婚式までに仕事を見つけよう」という明確な目標が生まれました。

「仲間力」が背中を押す

岡田:森社長の『スタートアップ芸人』にも、どん底の時期が描かれています。

落ち込んで家にこもり、身だしなみも乱れて…。自分と重なって、とても共感しました。

そこから脱出できたのも、信じてくれる仲間の言葉だった。森社長はそれを「仲間力」と表現されていますが、僕自身もまさにそれに救われたんです。

一人で頑張ろうとする人ほど、壁にぶつかって孤独になりがちです。

そんな時こそ、仲間の存在を意識してみてほしい。

自分の可能性を信じてくれる人がいると、必ず前に進めます。

「仲間力」は、特別な人にだけ備わっているものではありません。

自分の周りにある小さなつながりや、信じてくれる一言に目を向けてみること。それが、どん底から抜け出すきっかけになります。

一人で頑張りがちな人には、ぜひこの「仲間力」を意識してほしいです。
『スタートアップ芸人』にはそのヒントが詰まっていると思います。

(本書は『スタートアップ芸人 ―― お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』に関する特別投稿です。)