わたしはほぼ毎日、黙考にたっぷりと時間を費やす。
これをやっている人は、アメリカの実業界にはほぼいない。
わたしは本を読み、考え事をする。読めば読むほど、
考えれば考えるほど、実業界の大多数の人より、
衝動性の低い意思決定ができるようになる。
わたしがこうするのは、こういう生き方が好きだからだ
ウォーレンと60年以上タッグを組んできたチャーリー・マンガー(編集部注/チャーリー・トーマス・マンガー 1924年1月1日~2023年11月28日 ウォーレン・バフェットが会長を務める、投資持株会社バークシャー・ハサウェイの副会長であった)は、かつて相棒の人生をほとんど修道僧のようだと評した。ウォーレンは65年のあいだ、中流の上向けの同じ家に住みつづけている。また50年のあいだ毎日、1.8マイル離れた同じオフィスまで車を走らせている。そして何年も何年も、同じレストランに通い、同じ料理を注文している。豪邸も高級車も所有していない。

子供たちが幼かったころは、カリフォルニア州に海辺の別荘を所有していたが、子供たちの成人を機に売り払った。世界を飛び回るための小型ジェット機は会社で所有しているが、空港までは自分で車を運転している。もしも、若かりし日のウォーレンをオマハに訪ねていたら、おそらく彼は空港まで自ら迎えに来てくれたはずだ。ウォーレンが日中にしたいことはふたつだけ。たくさん――1日に500ページほど――読書をすることと、たくさん会社を買うことだ。そして、正しい会社を見つけたときのために、投資用の軍資金が現金で2500億ドル以上準備されている。
ああ、危うく忘れるところだった。ウォーレンはブリッジ(編集部注/トランプカードを使って4人で遊ぶカードゲーム)のネット対戦を愛してやまず、ネブラスカ大学アメフト部の熱狂的ファンとして、一試合たりとも観戦を逃したことはない。