お金事情とは「年収」と「金融資産の額」
どちらを知られたくない?

 そもそも「自分のお金事情」とは、何を指すか。大きく2つある。

 まず、給与などの「年収」、フリーランスなら「売り上げ」や「事業所得」といったいわゆる「毎年の稼ぎ」だ。もう一つは、金融資産の総額、つまり「持っているお金」だ。

 ケース別にどうアドバイスしたのかをみてみよう。

◆自分の年収は高く、金融資産も多いので、パートナーにアテにされたくない
◆妻である自分の年収は夫より高いと思うので、夫のプライドを傷つけなくない

【アドバイス】

 これらは、30~40代の若い世代からよく聞く声だ。

 年収については「隠していても、マイホーム購入で住宅ローンを組む際に源泉徴収票の提出を求められるので、いずれパートナーが知るときがきますよ」と話すと、「なるほど、そのうちバレるのですね」と納得する。

 夫よりも年収の高いことを気にする妻に対しては「給与水準は業界や会社の規模によって決まることが多いので、パートナーもあなたの年収が高いことは薄々気が付いていると思いますよ。年収で人の価値が決まるわけではないので、あまり気にせずオープンにしてみてはどう?」とアドバイスする。

 金融資産については「多額だからオープンにしたくない」そうだ。

 事前の電話ヒアリングでそのように言われると、「相談の当日は、少な目の金額で話を進めましょうか。ただし、年収が高いのに持っている金融資産が少ないと『浪費しているのかな』と勘繰られますよ。年収に見合ったお金をちゃんと貯めている人は“信頼できる人”と思われますから、過度なウソはやめておくほうがいいでしょう」とアドバイス。

 資産運用で増えたなら、「貯めたお金はこのくらい、運用で増えたのはこのくらい」と説明すればいい。

 自分の親からの相続財産があるなら、これは別の話。言いたくなければ、言わなくてもいいと思う(もちろん、オープンにしても問題ない)。

 若い世代が絶対すべきことは「毎年の貯蓄額」の共有だ。それぞれが「いくら貯める」と約束事として意見表明しておくと、どんどん貯まっていくのである。