カフェインが体に及ぼす影響は個人差が大きいという理由から、日本では摂取量の制限は設けられていません。一方で、カフェイン摂取に制限を設けている国もあります。

 一例として、カナダの保健省は、1日400ミリグラムを上限としています。それを参考にするならば、コーヒーを1日5~6杯飲んでもとくに問題はないといえるでしょう。

眠気覚ましには
エナジードリンクよりも玉露を推奨

 気をつけてほしいのが、エナジードリンクです。

 商品によって差がありますが、エナジードリンク1本に、多ければ150ミリグラム前後(コーヒー2杯ぶん以上)と、かなりの量のカフェインが含まれています。つまり、1杯160ミリグラムのカフェインを含む玉露とほぼ同じくらいのカフェインを含むといえます。

 一方で、同じカフェイン量を摂取するなら、エナジードリンクよりも玉露を選ぶべきだと考えます。

 なぜなら、エナジードリンクには砂糖もたくさん入っており、糖質中毒になるリスクもあるので、「毎日飲まずにいられない状況」になりかねません。また、カフェイン量が多い商品ほど眠気覚まし効果も高くなりますが、そうしたものを日常的にたくさん摂り続けるとカフェイン中毒に陥るので、注意が必要です。

 実際に、エナジードリンクを多飲していた20代の日本人男性が、カフェイン中毒で死亡した事例もあります。また、死亡とまでいかずとも、エナジードリンクの多飲が緊急搬送につながることもあり、飲みすぎには注意が必要です。

 専門家によれば、カフェインの致死量は3グラム(3000ミリグラム)であり、1日1本程度エナジードリンクを飲んでいるぶんには問題はありませんが、常飲すれば中毒になってその摂取量がどんどん増えていく可能性は否定できないといいます。

 一方で、お茶には抗酸化作用や殺菌効果などがあるカテキン、コーヒーには糖の吸収や脂肪の蓄積を抑えるクロロゲン酸など、カフェイン以外にも優れた抗酸化物質が含まれます。少し疲れを感じたときや眠気覚ましには、摂取しすぎには気をつけながら、エナジードリンクではなく、無糖のお茶(玉露や緑茶、抹茶など)やコーヒーを飲むのが一番でしょう。