カムバック採用(アルムナイ制度)のメリット

「カムバック採用は、人手不足の解消方法として悪い選択肢ではありません。会社にとってプラスになることも多いです」

<出戻り社員を雇用するおもなメリット>
○ 即戦力として期待できる
 ・部署や業務内容に精通しているため、スムーズに業務を進行できる。
 ・既存社員との関係性がある場合、コミュニケーションがとりやすい。
 ・繁忙期や人員不足時に、即戦力として雇用することが可能。

○ 企業文化になじみやすい
組織内で共有される価値観・行動様式・暗黙のルールなどの企業文化について、違和感なく適応できる。

○ 採用コストが抑えられる
求人に関する諸費用、入社後の教育のための人件費などを削減できる。

○ 他社経験が活用できる可能性がある
他社で得た知識やスキルを社内に持ち込むことで、業務改善や新しい発想が生まれ、業績の向上に繋がる可能性がある。

「しかし、やみくもにカムバックを認めるのではなく、採用前に確認しておきたい点があります」

<出戻り社員を雇用する際の注意点と確認事項>
(1)既存社員との公平性を確保できるか
 ○ 既存社員との不公平感を避けるため、出戻り社員の処遇(給与や役職など)は、本人の能力、職歴などを勘案し、明確な基準に基づいて設定する。

 ○ 以前のポジションに復帰させるか、新たな役割を与えるかは、組織内の昇進ルール、部署の人員状況(人手が足りているか不足しているか)、人間関係(既存社員との関係性)などを考慮して判断する。

(2)退職理由と志望動機を確認する
 ○ 前職がある場合、人間関係の不調や本人の能力不足など、再雇用にリスクがある理由で退職していた場合は慎重に検討する。

 ○ 志望動機について「他社でうまくいかなかったから戻りたい」という消極的な理由ではなく、前向きな姿勢があるか。

(3)組織文化の再適応ができるか
 ○ 退職後から相当の時間が経過している場合、組織、社内制度、企業文化などが変化していることがあるので適応できるか。

(4)最新の知識や業務内容を取り入れることができるか。
 ○ 以前の経験値に頼らず、知識や業務内容のアップデートができるか。

(5)社内コミュニケーションが構築できるか
 ○ 以前の職場でトラブルがあった場合は、再雇用によって再び問題が起きる可能性がある。職場の元メンバーなどに確認してみる。

「お尋ねしますが、B部長はAさんと仕事を一緒にしたことはありますか?」

「いいえ」

「では、Aさんが優秀な人材であることは、どこで判断されたのでしょうか?」