――それはスゴいですね(笑)。

 その意味で、貧乏育ちの恩恵をたくさん受けました。子どもの頃に発見したものがいろいろあって、その1つが少ない出費で生活できるという強みです。

 もう1つの大きな恩恵が、人と違う道でも人生を全速力で突っ走れば楽しいという気づきです。変な性格かもしれないですけど(笑)。

『パックンの森のお金塾 こども投資』(パトリック・ハーラン、主婦の友社)『パックンの森のお金塾 こども投資』(パトリック・ハーラン、主婦の友社)

 おカネがないから、みんなと同じフィールドで戦っても勝つのは難しい。

 たとえば、11~12歳の頃、アメリカンフットボール部のジュニアチームに入りたかったのですが、プロテクターなどの用具が買えないし、費用が高い合宿練習にも行けない。

 そもそも当時は練習や試合を父親が手助けするのは当たり前でしたが、僕の父親は離婚して遠くに暮らしている。だからアメフト部に入るのは諦めるほかありませんでした。

 そこで頭を切り替えて、アメフトでは勝負ができないなら、ほかのスポーツ、最初は体操をやり、その次は水泳の飛び込み、最終的にはあまり人気のなかったバレーボールに熱中しました。

 要は、変わり者で1番になればいいじゃん、と思うようになったのです。王道や主流の真ん中ではなく、支流でいいと。「井の中の蛙(かわず)大海を知らず」ということわざがありますが、自分なりにおもしろい井戸を見つければいいのです。

 大海で勝負しなくても、自分がおもしろいと思う分野で1番を目指せばいい。僕はアメリカ出身の漫才師で1番だと思っています。3人くらいしかいないと思うけど、でも1番(笑)。