保護者がまずやるべきことは
「毎日通ったことをほめる」
夏期講習において最も重要なことは、学習面の達成度や弱点克服の成果にかかわらず、まずは毎日通い続けるという事実を「よくがんばっているね」「がんばったね」と大いにほめることです。どの学年も同様です。6年生にとっては、受験生としての階段を一歩ずつ上っていることの証拠であり、二学期以降の成長につながる重要な基盤となります。
「子どもがただぼんやり通っただけで、帰ってきちゃって」とか、「夏期講習の内容が身についていないようなのです」という相談を受けることも多いのですが、ぼんやりしていようがなんであろうが、まずは毎日通っているということを褒めてあげることが先決です。
保護者自身、毎日ぼんやり会社に行って、帰って来ていることもあるでしょうし、仕事や家事をしている6〜7時間、すべての瞬間に全身全霊で集中できているなどということはあり得ないでしょう。
毎日机に向かって長時間学習に取り組むだけでも、最低限の成績向上の効果はあります。何かは身についているのです。
夏期講習というのは、普段の塾の授業に対して「オプション料金」で受講させるもの。保護者にしてみれば、それに見合った成果が出ているのかは気になるところでしょう。ただ、過剰な期待は禁物です。
夏期講習の内容が身についているか身についていないかは即時に判断できるものではなく、また、その成果が現れるのが、9月の第1週なのか、第4週なのか、10月なのか、11月なのかは予測できません。子どもの成績は急激には上がるものではなく、コツコツ積み重ねていくなかで徐々に上がっていくものです。
データは必ず後からついてきます。とにかく夏期講習に毎日通えたことを褒めれば、自然にそのことはのちのちの学習につながっていくということを忘れないでほしいのです。
一方で、夏期講習に通いきれない子どもも一定数存在します。これを防ぐのは、結局保護者の継続的なフォローしかなく、最も効果的なのは、先ほどと同じなのですが、「通っているだけでもすごい」と言い続けることです。通うことを褒めてあげることの重要性は、どれだけ強調してもしすぎることはありません。
通うことを褒められないのは子どもにとって辛いものです。塾講師も、塾に来た子どもを必ず褒めています。私自身、夏期講習期間中は「今日もよく来た」と絶対に褒めるようにしています。間違っても「受験前の6年生なんだから夏期講習に毎日来るのは当たり前」などとゆめゆめ思ってはなりません。それは保護者や大人の事情にすぎないからです。