「ゼクシィ補正」で
見過ごされたかもしれない主張

 今年1月のSTORYwebでのインタビューでは、松井との出会いは「マイナススタート」だったことも明かしている。

「あるときフランスから国際電話が入り、仲良しのヘアメークさんからだったので何気なく取ったところ、相手は松井さん。「俺のこと好きらしいですけど本当ですか?」と電話口から。(略)私にしてみれば、そんなこといきなり言われて…もう印象が最悪です」

 その後、フランスと日本でSkypeを24時間つないで「まるで同棲」しているかのような日々を過ごしたものの、松井が日本に帰国すると一転して音信不通になり「やっぱりこんな遊んでいる人と一緒になっちゃダメだ」と思ったことも明かしている。

「フランスにいるときはあんなに毎日一緒にいる感覚だったのに、日本に帰ってくるとめっちゃ遊ぶ。こんな扱いしてくる人、ダメでしょう?お腹に大切な命が宿ったとき、私は1人で育てようと思っていたんです。そもそも祖父母も父母も離婚経験者で、そんな母に大切に育ててもらって、別に父親がいなくても幸せは得られるってわかっていましたから」

 真っ当な感覚であり、なおかつ正直である。

 そして「うーん、夫育てが一番難しい(笑)」「夫は、結婚した時からずっとそんな感じで、悪い人ではないのですが…、一緒に暮らすのはまあまあ大変でしたね。自分中心だから」と飾らずに語りながらも、「夫は言うなればワンコ? (略)かわいさがズルいんです」と、救いも残す。

 今月の時点で離婚からしばらくたっていると報告されているので、このインタビューから程なくして離婚したと思われる。

 海外でのワンオペ育児は大変なものであっただろうし、行間からは自由な夫と10年以上暮らしてきた我慢も垣間見える。しかし、両者ともに有名人であり、夫にもファンがいて、仕事があることを考慮してなのか、「ダメだけど憎めない人」というギリギリな線を越えることはない。

 そのギリギリのバランスが絶妙だったために、かなり観察しているファン以外は、加藤の本心をこれまで見抜けなかったのかもしれない。加藤ローサはこれまでもずっと結婚生活が楽ではないことを語ってきていた。

 しかし受け取る側の「ローサ補正」あるいは「ゼクシィ補正」により、「とはいえローサが三行半を突きつけるわけがない」と思い込んでいたのかもしれない。そのはっきりとした主張の強さを、見誤っていたのかもしれない。

 共感を寄せる女性たちからは、今後は好きなように仕事をするなり自分の時間を楽しむなりしてほしいという声が聞こえる。今後の活躍に期待したい。