殴るビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

巷ではさまざまなアンガー・マネジメントが紹介されているが、怒りで頭が沸騰した瞬間にそれを思い出して実践するのは至難の業だ。そんな“できない人のためのアンガー・マネジメント”を、プロカウンセラーが伝授する。※本稿は、杉原保史『プロカウンセラーの賢く怒る技術』(創元社)の一部を抜粋・編集したものです。

アンガー・マネジメントは
3つのパターンに分けられる

 ちょっとしたことでカッとなって、すぐにキレやすい人が、アンガー・マネジメントを求めてカウンセリングにやって来ます。

 そういう人がアンガー・マネジメントに最も期待することは、カッとなっているときに、それに気づいて、とりあえず落ち着くことができるようになることです。

 カッとなったときに、とりあえずその場でなんとか冷静になるための方法として、いろいろな人がさまざまなアイデアを出しています。これらを大きく分類すると、怒りの対象から物理的・心理的に距離を取ること、怒りの感情そのものを観察対象とすること、リラックスすることとの3つに分けられます。

図表:アンガー・マネジメントの3つのパターン同書より転載 拡大画像表示

その場から離れるだけでも
怒りはおさまっていく

 激しい怒りを感じたときに、とりあえず落ち着くための最も効果的な方法は、怒りの対象(怒りを感じている相手)から物理的に距離を取ることです。とにかくその場を離れることです。