こうした専門家には守秘義務があるので、あなたの話したことは他の人には漏らしません。また、相談内容を整理し、会社や家族に相談したほうがいい場合には、適切な伝え方を教えてくれるはずです。
身近な家族こそが
不調に気付いている
1人暮らしの人は、家事ができなくなっていないか、1人で考える時間が増えて不安が強くなりすぎていないか、などについて、メンタルヘルス不調の時には気をつけましょう。
それでは実家で暮らしている人や、パートナーや子どもと暮らしている人には、気をつけることはないのでしょうか。

私は、メンタルヘルス不調や長時間残業が続いている人と産業医面談をする時には、必ず「ご家族でお住まいですか?1人暮らしですか?」と質問をします。
これは、前述したように、1人暮らしであれば体調を気にかけてくれる人がいないため、体調悪化のリスクが高いからです。
そして家族と暮らしている人には必ず「ご家族は今のあなたの様子を見て体調を心配したり、働きすぎだね、と言ったりしませんか?」と聞きます。
そうすると中には、「いや、家族には見せないようにしているから」とか「そんなに心配なんかしてくれませんよ笑」と言う人もいます。
しかし、明らかに体調が悪いなとこちらが感じる人は「はい、とても心配されています」「会社がブラックなんじゃないかと言われています」「1度受診したほうがいいと言われています」などと話します。
もしあなたが相談などをしていないとしても、身近な人は、あなたの生活の様子や表情などから、状況や体調が芳しくないことを必ずわかっています。
ただ、自分から何か言っていいものかどうかわからず声をかけられない場合もあります。そのため、家族から何か言葉をかけられた際は、その言葉を真剣に受け止めて、今後の対応を考えましょう。