森山幹事長が目論む
「小泉進次郎首相」

 復権を目指す麻生氏に立ちはだかるのが、御年80歳の森山裕幹事長だ。森山氏は両院議員総会で辞意を表明したものの、あくまで「進退伺」であり、その判断は石破首相(党総裁)に委ねるとしている。

「当然、石破首相は自分を慰留するはずだ」「そうでなくとも、現在の自民党役員の任期は今月末まであるため、そこまでは幹事長として辣腕を振るうことができるだろう」と計算してのことだ。

 つまり、出処進退について、「しかるべき時にきちんと決断をする」と述べた石破首相と同様、しばらくは続投するということだ。

 そこまで計算したうえで、総裁選前倒しを求める党所属議員には、「書面には記名・捺印」「本人が持参」「結果は公表する」という3重の踏み絵を踏ませ、しかも、「9月8日午前10時から午後3時の間に持ってくるように」と指示することで、他の議員の動向を見ながら態度を決めることが難しくなる手法をとった。

「総裁選前倒しの阻止を図る手法としてはお見事。ここまでは完全に森山さんペース」(旧安倍派衆議院議員)

 その森山氏は、仮に総裁選が前倒しされることになった場合、小泉進次郎農水相を擁立する可能性が高い。小泉氏の後見役である菅氏と近く、麻生氏と対決するには小泉氏を担ぐ以外に選択肢はないと考えているからだ。