問題意識の高い相手には、現状と理想を推測し、課題を特定する話し方をすることで、相手の「やりたいこと」の言語化を支援しましょう。

夢と現状のギャップを
埋める「提案」をする

心を動かすスイッチ3:叶えたい夢を引き出す

 人は「夢」があると、そこに近づきたい気持ちが起こります。

 この「夢」を叶えたい気持ち=心を動かすスイッチを入れて、「やりたいこと」を見つけ出します。

 ある介護用品をつくる起業家から相談を受けた時のことです。

「色々な会社に製品を提案していますが、売れずに悩んでいます…」

 目先の売り上げを上げることに追われていると感じた私は、

「そもそも、起業して叶えたい夢はありましたか?」

 と問いかけました。

 すると、それまで沈んでいた表情が明るくなり、

「足が悪くて困っていた母のような人を助けたいと思って起業しました」

 と答えました。

 それから次のような会話をしました。

高橋「提案先の会社は、夢を叶えるのにベストな相手でしょうか?」

起業家「いいえ、売り上げ欲しさに大手企業へ提案していました」

高橋「あなたの夢に共感してくれる相手へ提案しませんか?」

起業家「実は、先日展示会で意気投合した中小企業の社長がいます」

 その社長の母親も、足に同じような障害を抱えていたそうです。

 2人は協業し、製品を販売したところ、瞬く間に売り上げは伸びていきました。

 夢を持つ相手には、目指していた夢を引き出し、現状とのギャップを埋める「提案」をする話し方で、相手の「やりたいこと」の言語化を支援しましょう。