
「話が伝わらない」のは、言葉選びや説得力の問題ではない。そもそも、相手の“思考の解像度”が低い状態では、どんなに的確な説明をしても行動につながらないという。話し手の役割は、相手に「動けるイメージ」を描かせることにある。中小企業を中心に200社以上を支援してきたコンサルタント・高橋輝行氏が、その鍵となる思考ガイドの技術を説く。※本稿は、高橋輝行『結果を出すコンサルだけが知っている 「伝わらない」がなくなる話し方の順番』(あさ出版)の一部を抜粋・編集したものです。
「思考の解像度」は
行動の結果にも影響する
相手が「動いてくれない」のは、相手の思考の解像度を上げられていないからなのですが、まずは思考の解像度とはどのようなことなのか、詳しく見ていきましょう。
そもそも、「思考の解像度」とは何でしょうか?
「思考の解像度が高い人」とは、まるで映画を見ているかのように自分が行動しているイメージがハッキリ頭の中に描けていて、自信を持って行動することができ、成果を上げられる人を指します。
一方で、「思考の解像度が低い人」とは、自分が行動しているイメージが頭の中でボンヤリしていて、次の一歩が踏み出せない、または場当たり的に行動し、バッドエンドを迎えてしまうような人です。
スポーツ選手が行う「イメージトレーニング」は、思考の解像度を上げる訓練のひとつで、様々なシーンを想像しながら自分の動き方を頭の中でイメージして試合に備えます。
大谷翔平選手は、休みの日には様々な選手のスイングや投球フォームを見て、イメージトレーニングをしているそうです。そうすることで、本番でもイメージ通り動けるのです。