
定年後の安定を求めて虎の子の資金を投資信託に充て、分配金生活を勝ち取った著者が、そこに至るまでの紆余曲折を明かす。「元本2000万円で手取り月30万円」を実現するため、必要な準備とは?いつから、何から始めたらいいのか、何をやってはいけないのかを伝授しよう。※本稿は、梅森浩一『年金だけでは足りない人のための 分配金生活』(光文社)の一部を抜粋・編集したものです。
分配金生活に向けた投資資金は
「虎の子」の何%が適当なのか?
私が定年直後に、分配金生活を始めるにあたって投資した金額は、その時点で手元にあった現預金のすべてでした。つまり、虎の子の2000万円を、ほぼ100%、投資信託の購入に充てました。
ちなみに、そうした理由はいたってシンプルなもので、「いくら欲しい」が前提の「ターゲット・ベース」による投資資金の決定方法、具体的には「毎月○○万円手にするには『どこに、どれだけ』投資すれば可能なのか」を考えた結果です。
ちなみに、この2000万円というのは、巷間いわれるところの「不足する年金額」である2000万円と同じ金額となりますし、おそらく多くの人が、退職金や、それまでの貯蓄などを合算して作った「虎の子」の老後資金相当額だと考えられます。
当然、それは「なくなっては困る金融資産の総額(100%)」を意味しますから、そのすべてを私のように投資につぎ込むのは、かなり無茶(ハイリスク)といわざるをえません。
それが証拠に、2024年の金融市場の暴落のようなことが一度起きると、一気に余裕がなくなることを意味します。