とにかくいろいろうまく行っていないこのキッチンカー。提供待ちのお客様が多数いる中、店長もイライラしています。
サーバーでレモンサワーを注ぐ僕に「お客様が待っている状態でドリンク作っても提供までに時間かかるだろ? お前、わかってんのか!?」と当たってきました。「これ、レモンサワー単品の注文ですけど? それとも提供、遅らせた方がいいですか?」と言い返すと「それはいい。そのまま出せ」とのこと……。
パワハラ店長、
40代おじさんをナメるなよ!
まあとにかくこの店長の態度がひどい。キャパオーバーなのはわかりますが、東京でやったら一発アウトな行為の連発です。ムカつきながらもグッとこらえて仕事をこなし、バイト時間は残り30分となりました。
レジで一緒に働く女性バイトさんとちょっと仲良くなったので、お客様が落ち着いたタイミングで軽くおしゃべりします。
「バイト、どれぐらいやられているんですか?」
「そんなにたってないんですよ」
「正直、店長の当たり、きつくないですか?」
「ヤバいですね」
「あれってパワハラじゃないですか?」
「ですよね。だから結構みんな、すぐやめちゃうんですよ。長年、バイトしていた人がもう一つのキッチンカーを仕切ってたみたいなんですけど、その人がやめちゃって。それで店長が1人で両方を見ることになって……」
想像通りではありましたが、カオスな状況に合点がいきました。
「店長の言っていることを理解するの、難しくないですか。指示する前に1回、AIに内容を整理してもらってから言ってほしいですよね」なんて話をしたらバイトさん、バカウケでした。
そんな中、店長が登場。
「お前ら、なにしゃべってんだ? しゃべってるなら金、払わねえぞ。時給、引くぞ!?」と例のセリフを言ってきたので「ああ、別にいいですけど? どうぞ、やってみてください!」と返しました。
実は水分補給でちょっと休憩した際、スマホのAIアプリで「この店長の言動はパワハラでは?」と確認し、「その可能性が高い」という回答を得ていた僕。AIが教えてくれた厚生労働省のパワハラガイドラインページもチェック済みなので、自信満々です。
たぶん若いバイトさんばかりなので、こんなふうに圧をかければ言うことを聞くと思っているんでしょうが、40代のおじさんをナメてもらっちゃ困ります。
本当に時給を引いてきたら労基やユニオン、球団本部などに通報して差し上げようと思っていたところですが、店長は「ぐぬぬ……」となってそこで終了。そんなふうになるなら最初から言わなきゃいいのに。
「手が空いてるんだったら洗い物、やれ!」と言い放って去っていく店長。言われた通りに洗い場コーナーへ行き、バイトさんにやり方を聞きます。