糠をスコップですくって袋に入れようとしても袋の脇からこぼれてしまいますし、そもそも1回にすくえる糠の量も社員さんと比べて圧倒的に少ないのです。どのぐらい入れれば15キロになるという感覚もないので、秤に乗せてから何回も糠を袋に足さないといけませんでした。

 そんな中、僕が一番苦労したのが、米袋の口を紐で結ぶことでした。

 片方だけ蝶結びする要領で結ぶのですが、慣れていないので結ぼうとしても途中で結び方がわからなくなってしまいます。そもそも紐自体が固いのでなかなかうまくできず、作業途中で何度も社員さんに確認をしていました。

ヤバい、このままだと死ぬ……
開始40分で訪れた大ピンチ!

 2袋ぐらい袋詰めを見てもらってから、僕1人だけの作業がスタート。ここの作業場は冷房がないので作業をしているとどんどん汗が噴き出してきます。

 作業自体にも慣れていないのでこれがかなりしんどい。紐を結ぶ作業の際には中腰の体勢になるので腰にも負担がかかり、ヤバいです……。

 僕がモタモタと作業をしているため、排出口から出てくる糠が大量に溜まってしまいました。社員さんが見かねて「溜まってきたんで俺もやります」と作業に参加。僕の5倍ぐらいのスピードで袋詰めをし、溜まっていた糠の量が半分ぐらいになりました。僕、全然戦力になってないじゃん。情けない……。

 とはいえ、まだ仕事はスタートしたばかり。こんなしんどい作業を3時間、やらなくてはいけないのかと絶望的な気分になりますが、おそらく1時間ぐらいやればコツがわかって楽になるはず。そう信じて黙々と作業を続けます。

 暑さで汗が噴き出し、頭もクラクラしてきますがグッと堪えて糠を袋に詰めます。しかし、40分ぐらいでついに限界が来ました。

「ヤバい、このままだと死ぬ……」と思ったので社員さんに「ちょっと水分補給、してもいいですか?」と声がけし、外に出て持参した水を飲み、休憩。暑いは暑いのですが作業所の外は風がある分、随分マシです。汗を拭いながら「あと2時間ちょっと、厳しいな」と思っていたところ、他の社員さんが声をかけてくれました。

「大丈夫ですか? 顔が真っ赤ですよ。熱中症かもしれないんで、しばらく休んでいてください。事務所の冷蔵庫にパックのアクエリアスがあるんで、飲んでください」と言ってくださり、お言葉に甘えて休憩させてもらうことに。冷房で冷えまくった事務所で冷たいアクエリアスを飲み干し、ひと心地つきました。15分ぐらい休憩して、戦線復帰です。